Perfumeが再びCoachellaに立つために(後編)

Twitter
Coachella 1週目と2週目の間にTwitterで質問を受け付け。質問数が大変なことになるんじゃないの?どうやって返すんだろうと思っていた。動画で回答するのはご本人達がきちんと回答していることがわかって良いのだけど、英語の質問に日本語で回答、英訳無し。ツアーだと日本語ができる現地の方に訳してもらう慣習らしいのだが。ファンなら頑張って日本語覚えてということなのか。プロモーションやる気無さ過ぎでは。逆に6千万人以上のフォロワーがいてもなお、ファンにリプライ返したり自分の意見を発信しているAriana Grande凄い。

Spotify
数字で見るとやはり厳しい。というか、そもそもアルバムは『Future Pop』しかサブスク解禁してなかった。Coachellaでやった曲、ほとんど聴けないじゃん。(日本以外は全アルバム解禁されていました。)YouTubeでもSpotifyでも、ライブでやった曲のプレイリスト作っておけば、日本だけでもどれだけ再生されたか。私はRosalíaをCoachellaの配信で初めて観て、YouTubeで検索してすぐに出てきた一3曲が気に入って、すっかりはまってる。配信の有無はあれだけ話題になったのに、せっかく配信した後の導線のヘボさにどうしても誰も言及しないのだろう。
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BLACKPINKは国内よりインドネシア・フィリピン・マレーシアなど東南アジアで聴かれている。BLACKPINKのLISAのInstagramフォロワー数は、KPOPアーティストでNo.1の1800万人。彼女はタイ人で、東南アジアの人達が親しみを感じたり、自分達のスターのように思ったりするのも人気の理由だろうか。Rosalíaはスペイン国外ではチリ・メキシコ・アルゼンチンで聴かれているが、スペイン語が母国語の国だから。英語・中国語・スペイン語、話者が多いと強い。国外のプロモーションを参考にするならBLACKPINK。
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Instagram
一緒に写真撮ったからといって音楽やパフォーマンスが良くなる訳ではないし、プロモーションのためにというのはゲスだが、効果が大きいのは事実。ツアーの疲れもあるだろうし、最終日の出番が終わるまでは人のパフォーマンスを観に行く余裕はなかったのだろうけれど、会うこともチャンスに繋がる。
Ariana GrandeとBLACKPINK

RosaliaとLil Miquela


インタビューでも誰かのパフォーマンスを見たかとか、誰と会ったかはよく質問されてる。Justin Bieberの大ファンだったBillie Eilishが、とうとう彼と会えたのは拡散されている通り。Billie EilishはRosalíaと親交があり、彼女のパフォーマンスを見た感想として、自分のショーをする価値がないから家に帰ろうと思った(それくらいすごかった)と話している。2週目のCoachella、BillieのファンはBillieが感動したというRosalíaのショーもチェックしたのでは。

インタビュー
Coachellaの公式インタビューが残念だったたのは前編で書いた通り。BLACKPINKは人気のZach Sang Showに出演している。ROSE(ロゼ)はニュージーランド生まれ、JENNIE(ジェニー)はオーストラリア育ちの帰国子女、LISAはタイ国籍、JISOO(ジス)だけは韓国育ち。JISOO(ジス)は一番英語が苦手のようで他のメンバーが通訳している。英語が得意なメンバーもネイティブレベルではないようだ。Billie Eilishのように自分の考えがあるのではなく、音楽制作にもあまり深く関わっていない様子が伺える。戦略的に用意された音楽や振り付けを完璧にこなすのが得意なんだろう。私の理解ではPerfumeも同じなので、やはり参考にできるのはBLACKPINK。日本と違って「どんな食べ物が好きですか?」「休日は何してますか?」みたいな質問はされないが、歌(歌詞)やダンス、演出についてのこだわりなど聞かれることは大体決まっているので、ちょっと準備するだけでうまく答えられそう。ケチらず、インタビュアーの質問の意図を理解して意訳できる通訳さんを用意すべき。

Ariana GrandeもBillie Eilishも自分の考えをはっきり言う、オピニオンリーダーでもある。Ariana Grandeは圧倒的なダンスと歌唱力。Billie Eilishは独創性や表現したいものがある芸術家。Rosalíaは言わばスペイン伝統芸能のプロ。BLACKPINKはPerfumeに近いが、パフォーマンスは強くてかっこいい女性。そういう女性アーティストが人気の中、Perfumeは何を売りにするのか。30歳を超えて「イノセントでカワイイ」で行くのか。バーチャルやデジタルテクノロジーをアピールするのか。(その割に、それが存分に味わえるコンテンツが少ない。The Black Madonnaでも、人気ゲームの中でDJしてるのに。)真鍋大度さんのテクノロジーMIKIKO先生独特の振り付けをアピールするなら、その価値がわかあるように英語で動画も作ってわかるようにすべきでは。

悪く言われていたけれど、この記事が一番まともだったと思う。日本の音楽マーケットは今のことろまだ十分大きいから、Perfumeは海外で売れなくても困らない。必死さがないし、海外で売れるための戦略もないし努力もしていない。“余裕”その通りだと思う。

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