Coachella コーチェラ 2019 Day2 Day3 配信視聴 雑感

Day2
f:id:senotic:20190416164116j:plainGuava Island (Childish Gambino, Rihanna)
最近映画に入り込めなくなってしまったんだよなぁ。現実の方が過酷だったり夢あったりするし。貧乏だけど明るく暮らしてる二人の生活をを悪者が奪っていうストーリーが安っぽい。子役の英語は訛ってて島の子供感を出してたけど、Childish Gambinoははっきりとしたアメリカ英語だったり、役が入ってこない。ただ、『This Is America』の歌とダンスはかっこよくて巻き戻して3回見た。ダンスの後、工場の管理者が電話の受話器上げ連絡を取ろうとしてるときに、Childish Gambinoが奇妙な声を上げて脅すところは怖くて良かった。

Billie Eilish
音源聴いても全く良さがわからなかったんだけど、有名だから一応観てみた。衣装はサイズ大きめのパーカー・短パン・スニーカー、逆にいいね。ダウナーでじっとしてるのかと思ったら、飛び跳ねたり走り回ったりめちゃくちゃ動く。観客にマイク向けたり、まったく緊張してなさそう。「Scream as loud as possible you can!」と客に声を思いっきり出させた後、一旦静まったところで歌い出す。興味が出てきたので少し検索してみた。最新アルバムにある『xanny』、ドラッグのことを歌っている。
"I'm in their second hand smoke.
彼らの煙草の副流煙の中にいる
Still just drinking canned Coke
(私は)まだ缶コーラを飲んでるだけ
I don't need a xanny to feel better.
気持ちよくなるためにxanny(ドラッグ)は要らない
On designated drives home.
家まで代行運転
Only one who's not stoned
ハイになってないのは私だけ"
xannyに関するインタビューの中で、ドラッグをやっている人たちと一緒にいたときに感じた違和感を語っている。そこら中で吐いているのに誰も気にしていない、「どうしたの?」となるのが普通なのにと。煙草の煙を顔の真正面に吹きかけられたときの息苦しさについても。

The Guardianのインタビューでも「私は人生の中でドラッグもハイになったことも煙草も(大麻も)吸ったことがない。セックスもしない。単に興味がないだけ。他にすることがある。」と。若いファンに対しては、友達が(ドラッグや煙草を)薦めてきたとしてもする必要はないと伝えている。この歌のメッセージは「ドラッグをやるな。」まではいかず、自身の喪失体験からもうこれ以上友達に死んでほしくないということだそう。アメリカだけで2017年の1年間に7万人以上が薬物の過剰摂取で亡くなっている。10代の青少年にも及ぶ深刻な状況なんだ。日本のクラブ業界は干される覚悟でないと薬物に対してNOと言えないけど、17歳のスーパースターが言ってくれる。The Guardianの記事は、Billie EilishがDMに全部返信したり写真を片っ端からファボったりファンサをしてたことからもっと深い話まで、彼女の魅力が理解できる良い内容だった。衣装がパーカー・短パン・スニーカーである意味がとてもよくわかる。
Billie Eilish: the pop icon who defines 21st-century teenage angst | Music | The Guardian

Day3
f:id:senotic:20190416165609j:plainH.E.R
観た中で一番堂々と落ち着いていて大物感たっぷり。ベテラン歌手かと思ったら21歳ですって。間の取り方、勿体つけるような話し方、威厳があるような空気を作り出す。客に問いかけ返ってきた客の反応に答えたり、あれだけの大観衆を相手にコミュニケーションをとっている。一方通行ではなく、双方向。比較するのはあまりよくないが、Ella Maiとの差はそこだな。「あなた達の助けが必要なの」と切り出し、こうやって歌ってと一緒に歌う方法を説明する。心を掴み導くのが上手い。ピアノの前に座り「ちょっとムード変えていい?」と言って弾き出す。Nipsey Hussleのことを話してからの弾き語り。Nipsey Hussleや今は亡き人のことを思い浮かべ聴く曲は、また特別に感じるだろう。
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Ariana Grande
90分間熱唱し踊りっぱなし、体力の化け物かと。しかも厚底10センチ以上のヒールで。例えどの曲かは口パクだったとしても、あれだけ激しく踊り続けてリップシンクが完璧なだけでも凄い。一瞬だけ声が出ないことがあって、口パクだと声だけ出ちゃうはずだから、おそらく全部歌ってたのではないかと。ちゃんと聴いたことがなかったので、歌が上手くてびっくりした。ミュージカルで鍛えた正統派だからか。声が高いからか次世代のMariah Careyと言われたこともあるみたいだけど、白人なのに黒人みたいな歌い方だなと思ったし、Whitney Houstonの方が頭に浮かんだ。ヒット曲全部歌ってあげようみたいなセットなんだろうけど、ずっと上げっぱなしで、観客に語りかけたりコミュニケーションとる場面は少なかった。去年のBeyonceの全世界の女の子に語りかかけるようなライブは、やはり圧巻だったなぁ。Arianaはかわいくて歌も踊りも完璧なんだけど、Billie EilishやH.E.R.を観た後だと、目が空虚で空っぽのように見えてしまう。音楽や表現の種類が違うんだろうけれど。Arianaはエンターテイメントとして楽しめばいいか。
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再放送もあって巻き戻しもできて、世界のトップエンターテイメントが無料で見れるなんて。WOWOWも商売あがったりでは。アーティストにとってもCoachellaは特別で、何か月もかけて準備してきているから本当に質が高い。舞台演出も配信もほぼトラブルなし。支えるスタッフの方々もトップクラスなんだろう。BLACKPINKの様子を見ていると宣伝効果も絶大。私自身、何気なく見てて興味持ったアーティストが多数だもの。アーティストの数だけ、演出やVJを観れるのも凄い事。ULTRAやEDMアーティストのVJって、やっぱりダサい。流行ってる音楽をラップが占めようとCoachellaでは多様な音楽が聴けるし、日本と比べ歌詞や音楽で伝えようとしているスケールが大きい。いかに日頃狭い範囲んことしか考えずに生きているかに気が付けた。最近どんどん舌が肥えてしまって、上手いDJしか聴けなくなってる。それでも、違いや良さがわかるのは喜びだからやめられない。

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