Billie Eilish 『xanny』 失いつつある誰かを愛したくない

町山智浩氏のコラム、情報量もあり極端な誇張なく、読者層に合わせて興味を持たせるように書いてあり、さすがだなと思った。最後の4行は意外だけど、個人的にはズバッと書いてあってすっきり。Billie Eilishはそんな好きちゃうし、細かいことだからスルーしようかなと思ったけど、やっぱり気になるので補足として。

 (町山智浩氏 ご本人もリツイートされていたので公認?黙認?)

彼女は一度も学校に通わなかった。APD(聴覚情報処理障害)があったからだ。

アイリッシュの母親は、彼女を無理に学校に通わせず自宅で勉強を教えた。

聴覚障害は自宅教育の理由の1つでしかなく、ご両親も自宅教育に肯定的だったから。

Eilishと彼女の兄は、様々な理由で自宅教育されました。Patrick (Billie Eilishの父親)は、オクラホマの兄弟バンド、Hansonについての記事を読み、自宅教育が彼らの芸術的興味に集中する自由を与えたという考えに魅力を感じました。Maggie(Billie Eilishの母親)は、Finneasが生まれてから2年後にコロンバイン虐殺(コロンバイン高校銃乱射事件)が起きたコロラド州出身です。彼らは、子供たちとできるだけ多くの時間を過ごすという考えを好む、若くない親でした。 Finneasは、2年間カウボーイブーツで寝ていた風変わりな子供でした。Billieには聴覚処理障害があり、聴覚で情報を維持する能力に影響します。また、特に数学のストレスに関係する重度の運動性チックを伴う、トゥレット症候群でもあります。

Billie Eilish's Vogue Cover: How the Singer Is Reinventing Pop Stardom | Vogue

緑の髪をして、いつもパジャマみたいなダブダブの服を着て、

いつもおしゃれとは無縁のダブダブのスポーツウェアを何枚も重ね着しているのも

「いつもおしゃれとは無縁」ではないと思う。オーバーサイズの服は着ているけれど、デザインやアクセサリーでおしゃれしている。VogueのAnna Wintourも彼女のファッションについてポジティブにコメントしてる。「いつもパジャマ」は、Imran Moosvi (Imran Potato) のデザインがそう見えたのかな。
Meet the Instagram-Famous Bootlegger to the Stars | Vogue
How to Get Billie Eilish's Style - Billie Eilish Fashion Tips

アメリカでは、ザニー(ザナックス、抗不安剤)を飲むのが流行して問題になっている。でも、アイリッシュは流行なんか気にしない。

The Guardianのインタビューでは興味がないからと答えているけれど、自宅でFinneasと話している動画では、周りが全員酩酊しているときに感じた違和感や孤独、友達を亡くし愛する人を失う恐怖を熱弁しているので、ドラッグには否定的なのだと思う。

Eilish は言います。「私はドラッグをやったことがありません。人生で、ハイになったことも、喫煙したこともありません。 気にもしませんし、決してやりません。ただ、私には興味がありません。私にはやるべき他のことがあります。」西洋の10代の子がダウナードラッグを経験している時に、彼女の若者へのメッセージは明らかです。「あなたの周りにいるクソなことをしている人により、あなたもやりたくなるのはわかりますが、あなたがやる必要はありません。」彼女が言うこの歌のメッセージは、「『ドラッグをやるな』以下で、『安全に(ドラッグをやる)』以上」です。個人的な喪失体験から来る心からのお願いです。 「友達にこれ以上死んでほしくありません。」

Billie Eilish: the pop icon who defines 21st-century teenage angst | Music | The Guardian

A Snippet into Billie's Mind - xanny

「友達グループ全員が酔っ払っていた。吐いていた。私はそうでなかった。私がすごくおかしいと思ったのは、誰も気にしてないこと。酔っぱらって吐いているのに、誰も、こうやって後ろで髪をつかんであげているだけで(なんてことない顔してる)。あちこちで吐いている。誰も向き合わない。狂ってる。「何なの?」彼らにとっては、まるで当たり前のことかのように。友達が、完全に友達でなくなっていくのを見ていた。
女の子がいた。2本の煙草を指に挟んでいて、そして2本とも口に加えた。私を見て、私の顔に煙を吹きかけた。副流煙の中にいたときの気持ちを音にしたかった。煙がどのようなものなのか考えていた。煙が入った肺がどうなるのか。あなたが歌を聴いたとき、不快に感じるだろう。ボーカルをひずませるというアイディアを考えた。異常にボーカルをひずませた。頭痛のような音。首を絞められたような。バースは煙のような。酔っぱらった友達といるとき、私は独りぼっちだった。彼らはもういなかった。ドラッグや煙草は、あなたを自身を殺している。ゆっくりとあなた自身を殺している。ミスで死ぬ誰かを愛するわけにはいかない。失いつつある誰かを愛したくない。なぜなら彼らは自分で死のうとしているから。2日前に友達が亡くなったので、レコーディングをするのはとても大変だった。」

Billie Eilish - xanny

彼らの煙草の副流煙の中にいる
(私は)まだ缶コーラを飲んでるだけ
気持ちよくなるためにxanny(ドラッグ)は要らない
家まで代行運転
ハイになってないのは私だけ

洋楽聴く日本人が減ってる中で、せっかくBillie Eilishは注目されているのに、シェアやプロモーションされる情報が、「えー、そっち?」みたいなことが多くて嫌になる。それでも、Billie Eilishのユニバーサル ミュージック ジャパンはまだましで、Rosalíaのソニーミュージック洋楽はもっと酷い。「情熱女子」「メロメロ」「シビれる」「その魅力にノックダウン」「抜群のビジュアル」。「メロメロ」「シビれる」「ノックダウン」とか、かなり高齢の男性しか使わないでしょ。

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