The Emotions 『Best Of My Love』 受け継がれるもの、途絶えるもの

高校から大学にかけて、70年代のブラックミュージックに夢中だった。

FM802を情報源として、同じ趣味の友達はいなかったから、一人で少しずつ好きな曲を探した。FM番組で、古い曲に時間を割いても怒られない時代。f:id:senotic:20200706002319j:plain

The Three DegreesやHoney Coneといった黒人女性3人組の歌も好きだった。その中でもやはりNo.1、人生で一番聴いてきた曲、The Emotions 『Best Of My Love』。好きな曲はサンプリングされると、オリジナルを冒涜されたような気持ちになるし、本家を超えることはないので、基本的にむかつく。だけど、『Best Of My Love』は好き過ぎて、サンプリングの仕方もリスペクトがある(ような気がする)し、サンプリングした曲自体も良いので、本当によく聴いた。

The Emotions 『Best Of My Love』 (1977年)

作曲はEarth, Wind & FireのMaurice WhiteとAl McKay。モーリス・ホワイト!?今さっき、自分で調べて知って驚いている。1975年前後のDisco/Soul/R&Bは力強くて、暗くて陰湿な私でさえ、明るく前向きになれる。
Soul Trainは、演者もフロアで踊ってる人も、衣装のデザインが凝っている。神戸の古着屋さんで、70年代の洋服をよく探した。身長が低くて足が短いから、裾が広がってるパンツは、広がってるところを全部カットすることになっちゃて、切なかったわね。日本の70年代(大阪万博の頃)の服のデザインも好きで、当時の日本人の平均身長は小さかったから、私にはぴったりだった。デザインもさることながら、『東京スタイル』等当時の縫製の技術が素晴らしく、ファストファッションの時代になり失われた技術の粋を、手入れをしながら愛しんだ。

CJ Lewis 『Best Of My Love』 (1994年)

去年リバイバルでラテン圏で流行ったSnow『Informer』や、Diana King『Shy Guy』が流行っていた時代のレゲエソング。車で海に行くときに、大きな音でかけていた。聴くと、その時の楽しい気持ちや潮の香りまで思い出す。

Tamia 『Falling for You』(1998年)

90年代R&Bと70年代Motownテイストがうまく融合した名曲。

LemKuuja 『Kill Me Baby Make』(2016年)

Tamia 『Falling for You』を早回しして、効果音やエロい声を入れたひどい曲。The Emotions 『Best Of My Love』のサンプリング部分が、しっかり活きてる。こんなにBPM上げちゃって、モーリス・ホワイトさんももびっくりだわね。
元の曲が良いから、早回ししただけで様になる。9万5千回再生。Tamiaも、The Emotionsも知らない人が聴いている。まぁ、Tamiaのもサンプリングしているんだけどね。原曲も辿って、聴いてみてほしいなとは思う。


3曲とも、原曲同様、明るくポジティブ。これらの曲聴いて、何度自分を奮い立たせたことだろう。いつでも寄り添ってくれる音楽に、支えられてきた。

古い家も、取り壊す前に柱や建具を取り外して、再利用し受け継がれることがある。今では手に入らないものもある。音楽も、名曲はパーツとしても新しい曲に取り込まれ、生き続ける。コストや時間の制約から、サンプリングは避けられないとして、誰がどうやって音を鳴らし、どう録音されたものなのか、思いをはせるだけで、扱い方が変わってくるのでは。

ブログ書いている場合ではないんだけど、ネタはどんどん溜まっていくし、書かずにはいられない。書いて吐き出すと、心が安定する。ほとんど読まれなかったとしても、書き続けると思う。個人の雑談や放談レベルで申し訳なく感じたりもするが、やっぱり読んで下さる人がいることは、励みになっている。いつも読んで下さってありがとうございます。

Copyright © 電子計算機舞踏音楽 All Rights Reserved.