電算機的 BEST MUSIC 2020年上期

新譜を出さなきゃいけないからと作った音楽、読まれたくて書いたブログ、本当につまらない。表現したいこと、伝えたいこと、主張、新しいアイディアがあって、そこから生み出される作品には敵わない。多くの人は忙しくて、新譜のチェックや、音楽の探し方も変えていないと思う。いつもは通らない小道に入るように、少し違うジャンルを覗いてみたり、違う国のチャートをチェックすれば、出会いはある。逆にそういう手間をかけなければ、ずっと同じ界隈の音楽しか楽しめない。そんなのもったいない。

①Kesha - Raising Hell ft. Big Freedia

誰かがYouTubeに上げた、American Music Awardsでのパフォーマンスが圧巻だった。小さな画面越しにも届くような、力強さ。どんな人生であっても、慈しみ祝福する歌。

②Nerubeats - Test Me (feat. Uyeon)

韓国のUyeon(Nahae)と日本のプロデューサーNerubeatsとのコラボ2作目。日本でDTMやってる人や、M3に出している人は、どうしても同じような曲になってしまっている。私のような一般的な聴き手にとって、DTMとか関係なく、ポップで楽しいと思える音楽を作る人はとても少ないので貴重な存在。Uyeonは声に表情があって、本当に歌が上手い。新作も次々とリリースしていて、持ち歌も十分。ライブで聴いてみたいな。

③IC3PEAK - Марш (Marching)

主張やコンセプトがしっかりしていて、視覚表現も凝っているこういう作品が大好き。6月30日にリリースされた長めのインタビューは、自動翻訳なので話しているテーマくらいしか理解できず残念だが、多岐に渡るテーマにお二人が自分の考えをしっかり話されていて、益々ファンになった。

④IC3PEAK - Плак-Плак (Boo-Hoo)

⑤Mom - ハッピーニュースペーパー

海外の音楽アーティストのインタビューに慣れてしまうと、日本のは技術やプライベートの話が多くて、物足りない。自分の生活圏の話だけではなく、社会のこと将来のこと、これくらい俯瞰して大きなスケールで考えられるアーティストが増えると面白くなると思う。

⑥Stray Kids "神메뉴"

圧倒的なダンスのレベルの高さ。歌番組に出演するときのライブ版は、ミュージックビデオの振り付けがきれいに繋げてあり、より難易度が上がっている。容易く踊っているように見せるのも凄い。ダンスをやっていない私でも憧れるくらいだから、ダンスの盛んなベトナムでも、いくつかのダンス集団が、この振り付けコピーにチャレンジしている。完コピしていて、熱意とレベルの高さを感じるし、逆に比較によって、本家Stray Kidsのダンスクオリティが、いかに高いかもよくわかる。多くの人が憧れるダンスが生まれ、それを真似て、切磋琢磨してレベル競い合い、また次の新しいものができる。そういう文化が、とても楽しい。

⑦Agust D '대취타'

堂々と自国のアイデンティティを前面に押し出し、それを生かして、かっこよく仕上げている。

⑧Lawrence - "It's Not All About You"

リアル兄弟ユニットのLawrence、ミュージカル仕立てのミュージックビデオが楽しい。

⑨Nicki Nicole - Colocao

順調に売れていて嬉しい。私の好きなものは多数派に理解されないことが多く、メジャーにはならないので、これはレアケース。

⑩Låpsley - Womxn

ふわっとした歌い方で地味だけど、自分のことを歌っていて、自然体で力強い。

『Womxn』を書いたとき、私は20歳で、かなり悪い状況にいました。 それよりはるかに前向きな未来のある地点にいると仮定して書いています。時間の経過を信じることについてです。つまり、今何をすべきかを知るのではなく、これからわかるいくつかの時点で、それがわかるということです。私たちは未来にいて、このように強くより自信のある女性でいます。私はそれを歌います。これは私のプレゼントです。

以上が、BEST10。

Dorian ElectraとAlice Chaterのブログエントリは、安定してアクセス数が多かったので、音楽メディアやライターの方は、注目しておくといいんじゃないかしら。
Alice ChaterとAriana Grandeの高音ボーカル比較動画。ILIRAも、4オクターブ出せるからここに追加したい。ILIRAは、低いい声でもしっかり歌える。

LGBTアーティストのカテゴリで出てくるL Devineも要チェック。気だるそうに歌うけど、感情豊かに歌うところが魅力。性別ノンバイナリーのアーティストを、LGBTアーティストというカテゴリでくくるのは良くない気がするけれど、海外には特化したメディアやカルチャーもあって、そこから今までになかった新しいものが生まれていて、良い面もある。

Laguna Seca 『平成のHustler』は、独自性があって、歌の表現力も高くて、情緒もあって、評価されていないのが理解できないな。今後も、これくらい個性の強い作品が出てくるのか、楽しみにしている。

 ベスト10の候補を選んで、めちゃくちゃ悩みながら絞り込み、順位をつける。その過程で、もう一度じっくり聴き直す。音楽を見つけたときの興奮も落ち着いて、改めて評価してみるのも良いものです。

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