The Chemical Brothersを魅了したノルウェーの才能 AURORA

AURORA (ノルウェー
1996年6月生まれ(23歳)。Electropop, folktronicasynth-pop, baroque pop。
The Chemical Brothers - Eve Of Destruction


2019年リリースのThe Chemical Brothersのアルバム『No Geography』3曲にコーラスで参加していて、 『Eve Of Destruction』のMVにも出演している。一番最初に出てくるのがAURORA。透明のヘルメットのデザインかっこいい。Chemical BrothersのTom Rowlandsが直々にAURORAにメールをして、コラボが実現したそう。少しエキセントリックな彼女を表すエピソード。

「私は精子の頃から(生まれる前から)ずっとChemical Brothersが好きでした。」と彼女は言った。「それ(Chemical Brothersの音楽)に合わせて踊るのが大好きです。覇気がある。2017年のある美しい日にメールをもらいました。それにはこう書いてありました。 「こんにちは、(Chemical Brothersの)Tomです。私はあなたの音楽と言葉が好きです。我々の次のアルバムのために、一緒に何かを書いて頂きたいです。」 私は人々が誰なのかはあまり気にしませんが、それは私の人生の中で唯一ドキドキした瞬間でした。私はとても興奮していました。私がどれだけ幸せであるかを説明し、私がどれほど彼らの音楽の一部になりたいのかを彼らにわかってもらうために、適切な言葉を選ばなければならなかったかので、1週間ほど(返事を)遅らせなければなりませんでした。
AURORAは続けます。「それから彼の家に行きました。ホテルを予約するのを忘れていて、彼の屋根裏部屋に泊まることになりました。美しかったです。彼の娘さんの誕生日で、ある種彼女のパーティーを台無しにしてしまったようなので、私は 『いいえ、大丈夫です。皆さんがお祝いをしている間に森に散歩に行きます。』と言いました。それなのに、私は5時間ほど外に出ていて、彼らはとても心配していました。受付がなく、彼らは私に電話できないので、誕生日をダメにしたと思います。私は夜森の中に出かけていて、そこもとても暗くて正に私は消えました。髪に小枝を入れて帰ってきました。」

もともとは別のヴォーカリスト、オーロラというノルウェー人のアーティストとのコラボレーションだったんだ。彼女との仕事はとても楽しかったところから 「Eve of Destruction」のコンセプトが生まれたんだ。この曲のアイディアがまとまってから(ゆるふわギャングの)NENEに送ったんだ。なので「Eve of Destruction」のアイディアを元に「ぶっ壊したい何もかも」という歌詞がきっと生まれたんだろうね。

AURORA - Apple Tree


最初10代前半かと思った。björkとよく比較されるらしいけど、まぁしてしまうよね。我々外国人が思う北欧らしさそのものといった感じ。

「私はノルウェーの辺境にいて、山と木々とヤギに囲まれています。」
「ほぼナルニア国のようなものです。」

Meet Norwegian singer Aurora, the Mythical Lovechild of Björk and Grimes | W Magazine

民族的な音楽。生肉を食らうような刺激的な演出。狙ってる感があるなと思っていたが、歌のメッセージと歌詞を読んで、見方が変わった。

Apple Treeは、私たち全員の中に潜む可能性についてです。思いを込めば、世界を全て救うことができます。 この世界が死にかけているという科学的証拠に、世界は耳を傾けないでしょう。つまり夢を見ている人や子どもたちの声に耳を傾けるでしょう。血を流している世界では、個人の力が私たちの唯一の希望です。彼女に世界を救わせなさい。すべてを彼に守らせなさい。私たちを信じなさい、そして私たちは、世界を殺した世代ではなく、世界を救う世代になるでしょう。

グレタさんのように「裏切るなら絶対に許さない」と怒りを露わにするのも、それもアリ。AURORAは「うちらに任せろ。私たちの力で救おうぜ。」というようなメッセージを音楽というアートで伝えている。シンプルな英語なので言葉自体は非ネイティブでも理解できるが、意味は深い。ヨーロッパではティーンによるデモがよく行われているそうで、とてもタイムリー。

私の生活の全て、
私は狩りをしてきた、
私は一人の女の子だった、
私は一人の少年だった、
地面に足を潜り込ませている
りんごの木のように
目的を持って生きたいと思っている
肌は言葉
愛は罪ではない
人々は悪く
人々は良い
単に月が石であるように
でも暗いときそれは星である
そして今彼女は隠れている

 

もしあなたが心が何であるかを知ったなら、あなたはその色を見る
もし私たちがそれを導く方法を知っていたら
私は子供たちの世話をし、母親になる
もし隠す方法を知っていたら…隠す

 

彼女に世界を救わせて、彼女はただの一人の女の子
彼にそれら全てを守らせて、彼はただの一人の少年
彼女は世界を救わせて、彼女はただの一人の女の子
彼はそれら全てを守らせて、彼はただの一人の少年

 

飢えは静寂、もしあなたが正しいことをしなければ
ハンターは声高に主張し、ありきたりなことしかしない
すべての獲物を追い払う
だから彼らはいなくなった

 その他の曲、『Runaway』は北欧らしい風景が美しい。『Queendom(女王の国) 』は歌詞からは読み取れないが、MVには多様な人種や女性同士のキスがでてきて偏見から自由になれるQueendom(女王の国)と解釈できる。
AURORA sure knows how to interview


前かがみで、おばあちゃんみたいな話し方。冗談も言ったりインタビューアーを翻弄したり、自分のペースに巻き込んでいく。母国語ではない英語で受け答えしているが、頭が切れる人だと思った。目の周りに赤い線を引いたようなメイクはメタファーで、中の感情が外に表れたもの。涙や笑った時のしわ等。メイクアップアーティストのお姉さんがくれた口紅で描いている。
11月に渋谷で2公演ライブ予定で、1か月以上も先なのにsold outしていた。ライブ行くほど聴いている日本人がたくさんいるんだ。メディアに載るのは限られているけれど、幅広く聴いている音楽好きな人たくさんいるよね。

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好きな音楽、興味深いアーティストが大量に見つかってとても満たされている。一方日本の音楽はファインアートというか、意味がなかったりメッセージが薄っぺらいように思え、物足りなく感じてしまいそう。海外アーティストのインタビューって面白いんだよね。今回少し探しただけで、日本語や日本のものが出てくるMVがたくさん出てくる。それだけ日本に関心のある人が海外にいる証拠。日本の音楽を売り出すにしても、(クールジャパンがもっと頑張るべき)日本文化のマネタイズにしても、ヒントがあふれているように思う。

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