tofubeats アルバム「RUN」試聴会

tofubeats 4枚目となるアルバム「RUN」発売記念として若林恵氏との1時間の対談、その後未発売のアルバム「RUN」全曲がネット配信。アルバムに纏わる話を聞いた後、全国のtofubeatsファンとアルバムをフル試聴するというのは、ラジオでリード曲1曲だけが流れるのとはまた違う興奮があり楽しかった。ツイート連投してしまいそうだったのでブログに個人的な感想を。

01. RUN
対談では、自分と近い音楽やスタイルの人は意外とおらず、やはり一人だといったようなお話が。パソコン音楽クラブはリリパで、「人なんて」と思っていた時代から、たくさんのファンに愛され偉大な先輩にかわいがれ、気持ちが変化しつつあるようなことを話していたが、その時期を過ぎまた一人であることを感じるということだろうか。曲からは、静かだけれども怒りだとか勇み戦っていくため鼓舞を感じた。真面目に目の前のこと頑張っていれば、いつか幸せになれるんかななんて思っていたけれど人生そんなはずない。自分で道切り開き、失敗して何かを失いながらでも歩いていかなければ、得られるものなんてない。つくづくそう思っているから歌詞が響いた。「うかうかしてる間に」あせりや苛立ちが感じられる歌い方がいいな。ツイッターの動画にもフル尺が載る2分に満たない曲。味がしっかりついて食べ応えがあるから、変に伸ばされるよりこれくらいでちょうどいい。DJで流してくれるときはマッシュアップやループすることが多いから、もうちょい尺伸びるんじゃないかと思うし。

03. ふめつのこころ
この曲はもう既に付随する思い出がたくさんできてしまってる。パソコン音楽クラブとin the blue shirtがtofubeatsと地上波ドラマの劇伴、唯一オフィシャルでリリースしたミックスはパソコン音楽クラブ。何がLOVEじゃと思って生きていても、テレビ画面に映るクレジット、クラブで聴いたときの光景、そのときの気持ちを思い出させてくれるとても大事な曲。

04. MOONLIGHT
こういうのを待ってた。tofubeats氏はアルバム制作の度、日能研からやり直すくらいの気持ちで過去の作品も見直すそう。2017年のお正月、過去のデモテープも混ぜてDJ配信という大大大サービスをしてくれたことがあって、リスクに提供した曲をご自分で歌ったデモテープも。tofubeats氏どの作品よりもこれが好きだった。好きなアイドルの歌を口ずさむ男子っぽさもあるけど、デモなので音程がやたら正確。女の子が歌う優しい歌詞を鼻にかかった甘い声で歌ってて、癒しが半端じゃない。(lyrical school「PARADE」「FRESH!!!」を聴いて、tofubeats氏の声で置き換えてみて!)日頃からDJプレイやミックスに元気をもらって生き延びている自分には、MOONLIGHTの歌詞がしみるしみる。"昔のラブソング"を表現しているのか、DJのスクラッチ、早回しのラップ、シンセの音が90年代ぽいような。mihimaru GTが"Hey DJ"と歌い、DJがスクラッチしてたのは2006年だったようだからその時代ぽいのかも。最後の繰り返しで一旦キーが上がって最後落として落ち着くところとハウスっぽいピアノ、ベタで懐かしい雰囲気がして好き。最近は電話することも少ないし、「もしもし」とも言わなくなった気がする。"もしもし君に電話、いつも君に繋がらない"も古さの表現かな。

05. YOU MAKE ME ACID
私が小さい音で聴いているから高い音が強く聴こえてるだけかもしれないけれど、ハイハット(シンバル?)とかカウベルの音が大きく聴こえて、パソコン音楽クラブみたい。「RUN」が2分以下の一方、7分以上の長い曲と言ってたのはこれか。家でじっと聴くのではなく、ドライブ中やクラブだったら長さは気にならないと思う。DJミックスに使いやすそうだし、聴く機会は多そう。

06. RETURN TO SENDER
これも6分以上。長いけどDJミックスなら。

07. BULLET TRN
これも6分強。イントロは音数が少なくて、YMOぽいような。YMOよく知らないけど。新幹線の名の通り、飛行機でも光でもなく、新幹線くらいのスピード感と疾走感。こういうモジュラーシンセから出そうなつまみひねってぐにゃっとさせるような音、正しくはなんていうんだ。

08. NEWTOWN
アルバム曲のタイトルが開示されてたときから一番気になっていた。パソコン音楽クラブがニュータウンを音楽のテーマにし、OLDNEWTOWNという曲を出した後に出す、神戸のニュータウン育ちのメジャーアーティストtofubeatsのNEWTOWNとは?どういう解釈、切り口なのか楽しみにしていた。これは事前に対談で話が聞けたのが良かった。ニュータウンは新しい土地を開拓してでき、そこに人が移り住んだ。移り住んできた人は開拓者であり、新しく街を作っていった。というような内容だったと思う。団地やニュータウンは老朽化や高齢化ばかりが話題になり、ニュータウンという言葉さえ古いものを連想させるようになってきている。まさかそのままの新しい街の歌だとは。"目新しいものは何にもない世界で"、土地やインフラはあるけれど、街としてはまだ何もなくて人が作っていくという意味なのかな。まぁじっくり味わって考えてみよう。

09. SOMETIMES
お蔵入りになった海外の大物アーティストのリミックスと言ってたかな。"先輩ポリリズムとかできんすか?"とか言ってくる後輩がいるそうで、7/8と8/8のポリリズムが入っている。自分のことを歌った歌詞ではないとしても、すごい直球の愛。"ときどき愛を見つけてほしい。"のSOMETIMESなんですね。しばしば、ときどき、たまに、いやもう稀にでもいいから愛を見つけたいもの。

10. DEAD WAX
"音楽が止まってしまった、自分だけがいる"。後ろで穏やかな音楽がなっているのにさみしい歌詞。パーティ終わりの歌かな。

11. RIVER
私には愛が大き過ぎて、なんも言えへん。ライブでしっとりいい感じになったとき、大喜利思い出して笑いこらえるの大好きだから、皆さんの大喜利待ってる。

12. ふめつのこころ(SLOWDOWN)
単なる"ふめつのこころ"のスローバージョンじゃないんや!さすが。ライブでもDJでもいっつも凝ったマッシュアップしてくれるもんね。もうこれで終わりかなと思ったら、最後の最後にピアノバージョン。いつもお客さんの期待以上にあと一つサービスしてくれる。
"ふめつのこころを遅回ししても何かを感じられる。その先に何があるか確かめて。"
"何度だって再生しても何かを感じられる。その先に何があるか確かめて。"
ある時期にたくさん聴かれるより、長く聴かれるアルバムと言ってたと思う。まだリリース前、たくさん聴いて、その先に何があるか確かめてみよう。

Copyright © 2016-2018 電子計算機舞踏音楽 All Rights Reserved.